バイクフィッティングのサービスを開始してから、10年以上が経過いたしました。現在では多くの方がバイクフィッティングの重要性を認識し、専門的なサービスを利用されるようになってきましたが、当初はまだ国内での認知度は低く、多くのサイクリストが自身の感覚や雑誌、経験者からの助言などに頼ってポジション調整を行っている状況でした。
私自身もロードレースを始めたばかりの頃は、サドルの高さや前後位置、クリートの位置などを頻繁に調整しながら、理想のポジションを模索していました。
現在でも、経験豊富なベテランの方々が「微調整が必要だ」としてご相談に来られますが、実際にバイクフィッティングを行うと、ハンドルが極端に低く、サドルが過度に高いなど、身体に無理のあるセッティングとなっているケースが少なくありません。
こうした状況では、結果的にサドルを3cm以上下げ、ハンドル位置を3cm以上上げるという大幅な調整が必要となる場合もあります。実際に、過去にはプロ選手の方が同様の状態で来訪され、ポジションを見直した結果、膝の違和感が解消され、快適かつ効率的なライディングを実現されたこともありました。
空力性能を追求した前傾姿勢や、外国人トップアスリートのような低いポジションに憧れる気持ちは理解できます。しかし、日本人の身体的特性を踏まえた場合、それが必ずしも最適とは限りません。
脚の長さや体幹保持能力、柔軟性などには個人差があり、トップ選手のポジションを模倣することでかえってフォームが崩れたり、痛みや故障の原因になることもあります。
空力性能を追求した前傾姿勢や、外国人トップアスリートのような低いポジションに憧れる気持ちは理解できます。しかし、日本人の身体的特性を踏まえた場合、それが必ずしも最適とは限りません。脚の長さや体幹保持能力、柔軟性などには個人差があり、トップ選手のポジションを模倣することでかえってフォームが崩れたり、痛みや故障の原因になることもあります。
そもそも、バイクに初めて乗る方にとっては「良い感覚」とは何かを判断する基準がなく、自分の状態を客観的に把握することも困難です。そのため、インターネットや雑誌、周囲のアドバイスに頼りながら試行錯誤を繰り返し、気づけば1年以上が経過してしまうケースもあります。
バイクフィッティングの基準を知り、専門家の客観的な視点から自身のポジションを確認してもらうことは、快適で安全なライディングを継続するうえで非常に重要です。とりわけ、ライディング経験が浅い初心者の方にとっては、誤ったフォームや無理な姿勢が身体に染みついてしまう前に、正しい基準を学び、適切なポジションを身につけておくことが、故障の予防や効率的なスキル習得に大きく寄与します。
昨今では、バイクフィッティングの重要性が徐々に認識されつつありますが、依然として多くの方が「もう少し上達してから受けたい」と考える傾向にあります。しかし、バイクは機材スポーツであり、その性能を最大限に活かすには、身体と機材の調和が不可欠です。機材に身体を合わせるのではなく、身体に機材をフィットさせるという発想こそが、本来あるべき姿だと私たちは考えています。
特に初心者の段階で適切なフィッティングを受けておくことで、その後の成長スピードやパフォーマンス向上の土台が大きく変わってきます。フォームやペダリングの改善にもつながり、将来的なトラブルや違和感の予防にもつながります。
UNITYでは、初めてバイクに乗る方から競技志向のアスリートまで、幅広い方に向けて専門的かつ実践的なバイクフィッティングを提供しています。経験や感覚に頼るのではなく、科学的なデータと確かな理論に基づいたサービスで、皆さまの「楽しく、長く、速く」走るためのお手伝いをさせていただきます。
バイクフィッティングは、技術的な成長のきっかけであると同時に、自身の身体と向き合う大切な機会です。ぜひ、より良いライディングライフの第一歩として、バイクフィッティングをご活用ください。