バイクフィッティング【適正なバイクのセッティング】は上手くなってから?

2018/10月/19日(金曜日)

バイクフィッティングは「上手くなってから」ではありません

 

私はこれまで、ロードレース実業団プロツアー選手としての競技経験を経て、

オリンピック選手・プロロードレーサー・強化指定選手をはじめ、幅広いレベルのロードレーサーやトライアスリートのバイクフィッティングを延べ3,000件以上実施してまいりました。

 

また、現在はランニング・バイク・スイムのパーソナルトレーニング指導も行っており、技術やパフォーマンスの底上げ、故障予防の観点から多くの方をサポートしています。

 

そんな中で、特によく耳にするのが

「もう少しバイクに慣れてからフィッティングを受けようと思っています」

というお声です。

 

しかし実際には、バイクフィッティングは“上手くなるためにこそ”受けていただきたいものです。

 

適切なポジション設定や身体の使い方を早期に身につけることは、無駄なエネルギーロスやフォームの癖を防ぎ、より安全で快適なサイクリングにつながります。

 

初心者の方にこそ、正しいスタートを切っていただきたい。

その想いで、すべてのフィッティングを一人ひとり丁寧に行っております。

バイクフィッティングと聞くと、よくこう言われます。

「もう少しバイクに慣れてから受けようと思います」

しかし私は、そんなときこそこうお伝えしています。

「癖がつく前に、なるべく早く受けてください」

その理由はシンプルです。トライアスロンやロードレースの3種目のうち、**バイクだけは“機材スポーツ”**だからです。

悪いポジションは故障や不調の原因に

 

たとえば、低いサドルのシティサイクル(ママチャリ)に乗ったことはありますか?

あるいは、女性の方がサイズの合わない男性用ロードバイクに試乗したことはあるでしょうか?

サドルが低ければ、太腿の前やふくらはぎの筋肉に過度な負担がかかります。

ハンドルが遠ければ、肩が凝り、前輪荷重となり、下りやカーブで不安定になりやすく、腰や首にまで負担をかけてしまいます。

実際に、膝や腰の痛み、腸脛靭帯炎、肩こり、違和感のある筋肥大など、ポジション不良に起因するトラブルは後を絶ちません。

一例として、ハンドルが遠いと前輪荷重になりやすく、下りやカーブが怖くなり、肩こりや腰痛などを誘発しやすくなります。サドルが高いと膝を痛めやすくなります。

UNITYのバイクフィッティングが目指すもの

UNITYでは、LEOMOなどのモーションキャプチャーを活用し、

ポジションの数値だけでなく、「実際の動き」を評価しながらフィッティングを行います。

さらに、単なるセッティングだけでなく、

  • フォーム・ペダリング技術の指導

  • 必要なストレッチや補強運動

  • 体幹トレーニングの提案

    まで、包括的なアプローチであなたのライディングをサポートします。

トライアスリートの方々の中には、「がむしゃらに漕げば速くなる」と考える方も少なくありません。

特にスイムやランに重点を置き、バイクの基本を後回しにしている方も多く見受けられます。

これは、国体・インカレ・日本選手権レベルの選手でも例外ではありません。

バイクフィッターを選ぶ際の注意点

これからバイクフィッティングを受けようとお考えの方は、以下のような点にご留意ください。

  • 経験と実績があり、理論に基づいたフィッティングを行っているか

  • 解剖学・機能解剖学・バイオメカニクスを学んでいるか

  • 骨格・柔軟性・競技レベルに応じた調整ができるか

  • 単なる経験や感覚だけに頼らず、個人差を尊重した指導ができるか

「自分はこうしているから、あなたもこうしなさい」という感覚的な指導は、百害あって一利なしです。

人はそれぞれ、身長・骨格・筋力・経験・柔軟性・メンタルまで異なるからこそ、

一人ひとりに合わせた最適解が必要なのです。

痛みや外傷・障害の診断は整形外科へ

「自分はこうしているから、あなたも同じようにした方が良い」というような、感覚や経験だけに基づいた根拠のないバイクフィッティングは、私は決して推奨しません。むしろ、それは百害あって一利なし**であると考えています。

なぜなら、人の身体は一人ひとり異なるからです。

身長や骨格の違いはもちろん、柔軟性、筋力のバランス、姿勢の癖、ライディング経験、さらには精神的な特性までもが、ライディングフォームや最適なポジションに大きく影響を与えます。

だからこそ、バイクフィッティングには**「個別性に基づいた理論と根拠ある判断」**が必要なのです。

正しいスタートは、長く続けるための第一歩

バイクフィッティングは、上達した“あと”ではなく、

上達の“ために”必要なプロセスです。

癖がつく前の初心者こそ、ぜひ一度、プロフェッショナルの視点から身体とバイクの調和を見直してみてください。

理想的なバイクフィッターとは

バイクフィッターにはさまざまなタイプがいますが、単に理論を語れるだけではなく、実際の競技経験に基づいたリアルな視点と、的確な分析力・指導力を兼ね備えた人物こそが、理想的なフィッターであると私は考えています。

個人的には、元MTBオリンピック日本代表であり、現在はトライアスリートとしても活躍されている竹谷賢二さんのような方が、その理想像に近いのではないかと感じています。

豊富な競技経験に裏打ちされた実践的な知識、そして多くのサイクリストに寄り添う指導姿勢は、まさに多くのバイクフィッターが目指すべき姿だと思います。

 

バイクフィッティング・ポジション・フォームについて

バイクフィッティングやポジション設定、そしてライディングフォームの重要性については、これまで数多くの現場で実感してきました。

これから少しずつではありますが、私自身のこれまでの経験や実例をもとに、フィッティングに関する知見や考え方を皆さまにご紹介していきたいと考えています。

「ポジションに悩んでいる」「もっと快適に走れるようになりたい」

そんな方々にとって、少しでも参考になる情報をお届けできれば幸いです。

どうぞ今後の発信にもご注目ください。

溝端 祐一(Yuichi Mizobata)

  • Personal Coaching & Bike Fit Studio UNITY 代表

  • CLUB KAZU 代表/プロデューサー

  • TEAM UNITY 監督

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