バイクフィッティングを始めてから10年が経過しました。スペシャライズドのBGFIT(アメリカのバイクフィッティング)が日本に紹介されて直ぐに、バイクフィッティングの認定を取りに東京に向かったのが、つい最近のことの様です。
当時、日本にはバイクフィッティングは普及しておらず、多くの方々が、バイクのポジションは専門誌からの得た知識や、先輩達からのアドバイス、自分の感覚や経験で決めていました。
2010年にはトライアスロンやTTバイクのフィッティングの認定(BG FIT)。2011年にはモーションキャプチャーを使用したバイクフィッティングの認定(Retul)も受けたのですが、その頃も、日本ではバイクフィッティングはそれほど普及していませんでした。
バイクフィッティングについて学びたかったため当時受けることのできた全てのバイクフィッティングの認定を受けました。(BG FIT、 MASTER BG FIT、BIKE FIT、 RETUL)
その当時もそうですが、自身がロードバイクに乗り始めた15年ほど前も、多くの方が膝や腰の痛みで悩んでいました。一方で当時は「ロードバイクは膝が痛くならないし、腰にも優しいですよ」といった話もよく聞きました。
「スポーツバイクは、正しく乗らないと明らかに腰には良くないのにどうして?膝が痛いのもよく聞くよな?」
初めてロードバイクを購入するために、関西の自転車販売店を廻っていた15年前、プロショップの店員さんからも、同じような話を何度か聞き、不思議に感じたのを覚えています。
【怪我や故障をせずに、なるべく長く持久系スポーツを続けてほしい】10年前にバイクフィッティングを学ぼうと思った理由はこれにつきます。
予想通り、アメリカから入ってきたフィッティングシステムの殆どが、解剖学・機能解剖学を基に行われており、海外のフィッティングの書籍にはバイクで起こる故障の為のストレッチや補強運動などの対処法が詳細に記されていました。
実際にフィッティングやコーチングを行う際は、解剖学などの知識も要求されます。そこで当時、日本で行われていた殆どの講習会にも参加しました。
2011年、茅ケ崎でモーションキャプチャーを使用しバイクフィッティングシステムのRETULが紹介された時は衝撃的でした。今思えば、この講習会を受けた一緒に受けたメンバーは業界ではかなり有名な方ばかりでした。
当時はRETULは、スペシャライズドに買収されておらず、インソールやカントだけでなく【身体の使い方】も重視していました。
講師はIronman世界選手権KONAに出場経験のあるアイルランド人と元プロロード選手のオーストラリア人の方々でした。自身がこの方々から受けた影響は少なくありません。
個人的にはバイクフィッティングは必要最低条件(まずはバイクフィッティングを受けてバイクフィッティングの基準や自身の身体の現状を知るのことが重要)です。
まずはバイクフィティングを受けて、そこから他のスポーツと同じように、故障しにくい身体の使い方や、自分の感覚を煮詰めていく必要があると考えてています。特に天才的な感覚は全く持ち合わせていない、自分と同じような一般人の方は…
現在、様々な施設でバイクフィッティングのサービスが行われており、この10年でようやく、バイクフィッティングが、日本に普及した様な気がします。
まだバイクフィッティングを受けていない方は、まずは近くでバイクフィッティングを受けてくださいね。
現在はパワーメーターやモーションキャプチャーなど、様々な機器があり、自身もその恩恵を受けているのですが、最終的に重要になってくるのは、当たり前ですが自転車のエンジンです。
つまり自転車に跨る人の性能(心肺機能・筋力・柔軟性・巧緻性・感覚など)だと考えています。そこは今も昔も全く変わりません。魔法はありません。
言い換えると高めた身体の機能を発揮しやすくするのが、バイクフィッティングだと考えても良いと思います。
余程、身体の感覚が優れた方でない限り、自分のイメージした動きと、実際の動きには、かなりの隔たりがあります。バイクで言えば普通はエアペダル(素振りペダリング)すら上手く出来ません。
鏡を試してみてください。自身のペダリングの癖がよくわかります。
実際に今も昔も変わらずバイクで故障し、”ユニティ”を訪れる方が少なくありません。バイクフィッティングやコーチングを通じて、故障を未然に防ぎ、持久系スポーツを長く楽しんで貰う。
【初心忘るべからず】ですね。
今後もバイクフィティングや持久系スポーツのパーソナルトレーニングを通して持久系スポーツの楽しさや喜びを多くの方々に伝えていければと考えています。